師匠と二人三脚で歩んだ一年
いろいろな工具を自作する化繊ノズル製作所ですが、その中でも髪の毛の何倍も細い3ミクロンというサイズの工具づくりを行えるのは限られたスタッフだけ。私がそこに携わるようになったのは、大ベテランの技術者の引退がきっかけでした。
当時その方が引退してしまえば、化繊ノズル製作所にその高度な技術が途絶えてしまうという状況。そこで後継者選びがはじまり、立候補したのがはじまりです。何度かの面談や試験を合格して継承者候補に選んでいただいてからの一年は、師匠とまさに二人三脚の日々。
とは言っても、手取り足取り教えていただくというよりは、見て、盗んで、自分でやってみて、ダメ出しを受けて、悩んで、自分なりの改善を考えて…の繰り返し。師匠のチェックなしで使える工具をつくれるようになるまで一年。その工具を使って実際に自分で穴を開けたときは本当にうれしかったです。