人の手だから生み出せる

職人の世界

  • TOP
  • 社員インタビュー[松本]

製造二部 精機課

松本 泰広

YASUHIRO MATSUMOTO

2005年入社

師匠と二人三脚で歩んだ一年

いろいろな工具を自作する化繊ノズル製作所ですが、その中でも髪の毛の何倍も細い3ミクロンというサイズの工具づくりを行えるのは限られたスタッフだけ。私がそこに携わるようになったのは、大ベテランの技術者の引退がきっかけでした。

当時その方が引退してしまえば、化繊ノズル製作所にその高度な技術が途絶えてしまうという状況。そこで後継者選びがはじまり、立候補したのがはじまりです。何度かの面談や試験を合格して継承者候補に選んでいただいてからの一年は、師匠とまさに二人三脚の日々。

とは言っても、手取り足取り教えていただくというよりは、見て、盗んで、自分でやってみて、ダメ出しを受けて、悩んで、自分なりの改善を考えて…の繰り返し。師匠のチェックなしで使える工具をつくれるようになるまで一年。その工具を使って実際に自分で穴を開けたときは本当にうれしかったです。

心も体も整わないとできない世界

技術はもちろん、師匠と過ごした一年でずっと指摘されていたのは精神面のことでした。「イライラするな」「お前はこういうところがダメだ」「落ち着けていない」…など、つくり手としての前に人間的な部分でもずいぶん成長させていただきました。また、繊細な工具づくりでは、呼吸の仕方も大切な要素です。息をしながら作業すると手元が震えるので、顕微鏡の中を覗いて、研磨具が触れるか触れないかのところで息を止める。その独特な呼吸法を身につけるのにも時間がかかりました。

今はいろいろなものが機械化されていますが、工具づくりは本当に人間的な仕事。体調が悪いと絶対にできませんし、トイレなどの生理現象もうまくコントロールしないといけない。誰にでもできる仕事ではありませんが、できるようになると化繊ノズル製作所だけでなく、世界の中でも貴重な存在になれます。そういう仕事に携わることができて、本当に幸せです。

いつか自分も後輩へ技能の伝承を

いまは髪の毛の100分の3の細さである3ミクロンが限界。しかし、超合金よりももっと強くて、粒子が小さな素材を探し、それを削れる研磨道具が見つかれば、もっと細い工具をつくることだって不可能ではないはず。大変だと思うけど、いつかそれにも挑戦してみたいですね。

また、これからは自分よりも若い世代に、この技術を伝承していくのも私の仕事になっていきます。師匠から教えてもらったように、自分の背中を見せながら息づかいから一つひとつ教えていく。まだその姿を自分では想像できませんが、そんな将来が来ることを楽しみにしています。

MESSAGE to YOU

未来の後輩たちへ

オンリーワンの職人になれるチャンスです

世の中にないものをつくる喜び、世界に求められるものをつくる誇りがたくさんある仕事です。工具づくりは希望すれば配属される部署ではありませんが、手先が器用で、性格が穏やかならチャンスはあります。興味あれば、ぜひ化繊ノズル製作所に飛び込んでみてください。

化繊ノズルには可能性を生かせる場所がきっとあります。
自分らしく活躍したいあなたのエントリーをお待ちしています。

エントリーする